異景
最近はめぼしい写真集もなくて
これはちょっと狙って買い.
というか写真集というには
ちょっと下世話な感じかな
「消えゆく記憶の街角」
なんてらしくもないタイトルだと思うし
ていうかその辺を著者も解っているところが
確信犯だったりする.
四谷って街で個展してみたり
新宿ゴールデン街で旧い友達と安酒で喧嘩したり
銀座シネパトスで3本立観たり
そんなことをしに東京まで足を運んでいたりする.
渋谷百軒店 人世横町...今も遺る昭和の異物たち
廃墟ではなくて
現実にそこで暮らし生きる人がいる場所として
散在している風景たち
無味無臭のコピーされた街ではなく
どうしようもなく猥雑な人間臭と日本人の性根
学校帰りに眺めた団地のトタンの軒先
IC近くのモーテルから出入りするクルマ
遺しておいてどうなる
本にしてどうなる
という異物 異景以外のなにものでもないそれらが
ノスタルジーばかりを知った口で語るだけになった
僕らになにかを伝えようとしているような気がした.
四谷にかえりたい.
藤木TDC/文 イシワタフミアキ/写真 ミリオン出版「昭和幻景」
2009-10-30 20:56
nice!(1)
コメント(2)
トラックバック(0)
昔僕は遊郭跡地のすぐ近くに住んでいました。もちろん遊郭そのものはすでになかったのですが、遊郭建物をそのまま工場に転用したものなんて残ってました。
なんかね、上手く言えないんですけど、豊かであっても未来の明るい光が見えない平成の今、貧しくても未来の明るい光が見えていた昭和の考証をしてるんだと思うんですね。
今さら昭和には戻れない。でも昭和は明るかった。暗中模索の平成に昭和の明るさで何とか誤魔化してる....そんな感じがするのですが。
でもね、僕もこの年になって今昭和を回顧してるんですよ。自分のボーン・アイデンティティをしっかり確認しておきたいって言うんですかね。何にしても将来を見ないで過去を総括するようになったら人生長くはないですね。(笑)
by marcy (2009-10-31 23:11)
marcyさん
それは きっと原風景...
確かに まぼろしでなくそこに
未来はあったのです...希望ではなく 未来.
そして僕にもそれはあって 原風景をココロに
描くことが出来る限り まだ未来が きっと。。。
昭和は消えるのではなくて 違う色で上塗りされていくような...
悲劇も 感動も 曖昧になる色に...
by echoage (2009-11-03 21:26)